ラマザン

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Ramazan

ラマザン
イスラム暦の第9月はラマザン。約1カ月の間、イスラム教徒は日の出前から日没まで断食をする。

断食するかしないかは個人の自由。ただ、日ごろお酒が自由に飲めたり服装の制約もなかったりと、イスラムの戒律が緩やかなわりには、トルコにおける断食率はかなり高い。多くの人が熱心に「断食」に、そしてその後にやってくるお楽しみの「イフタル」(断食明けの食事)に励む。

近ごろではラマザンが近づくと、スーパーには段ボール箱がうずたかく積み上げられる。その名も「ラマザンセット」。大・中・小、とある。中身は、小麦粉1kg、米1kg、スパゲティ500g、黒オリーブ500g、サラダ油1リットル、サルチャ830g、塩500g、角砂糖750g、チャイ500g、トルココーヒー100g、インスタントスイーツの素、インスタントスープの素、インスタントジュースの素…と、要は日常食に欠かせない基本の食材の詰め合わせ。ラマザンのときは食糧の消費量もぐんとアップするので、「お買い得セット」というわけだ。

このセットを見ると、トルコの人たちが日ごろ何を食べているのか、何が彼らの常備食なのか、などがわかっておもしろい。ただ、ひとつだけ、どうしても許せないものが入っている。それはコーラ1リットルボトル。ついこのあいだまで、コーラなどというアメリカ生まれの飲み物は、ラマザンには何の関係もなかったはずでは?毎年この時期になるとテレビでコーラ各社の宣伝が大々的に展開されるおかげで、すっかり家庭の食卓の風景として定着し、ラマザンに欠かせない飲み物として認知されてしまったようだ。いつからトルコ人はこんなにコーラが好きになったのか。