チレッキÇilek
トルコの苺は、この10年で飛躍的な変貌を遂げたと思う。昔は、形は不揃いで傷みやすくて、1kg買っても2割は潰れていたり腐っていたり、うちへ持ち帰った後もどんどん傷んでいく…そんな感じだった。買ったらすぐに無事な粒とそうでない粒とをより分け、傷んでいる部分は取り除き、潰れかけの粒はせっせとジャムにしていたものだ。
最近の苺は、同じ大きさのものが行儀よく並ぶ日本の苺には遠く及ばないが、形もずいぶんよくなったし粒も大きくなった。傷みもかつてほどではなくなった気がする。もっともそれは品種改良よりも「セラ(ハウス)栽培」によるところが大きい。5月中旬ごろからまずセラものが出て、その後露地ものが続き、苺の時期も長く楽しめるようになった。
日本の苺のような上品な甘さではないが、「元気のいい甘さ」とでも言ったらよいか。それも、繊細さよりも勢いの良さを身上とするトルコ食材らしい気がする。