イスタンブールの6月は、毎日よく晴れて緑が鮮やかな美しい季節。日差しが強いと気温もぐんぐん上がるが、風はまだ涼しくとても過ごしやすい。日も長く夜8時半までは十分明るいので気持ちがはずむ。
いつまでも明るいと、日本だと会社を出る時間がつい遅くなるけれど、トルコではオフィスなんかに残っているのは野暮。さっさと野外のバーやレストランに繰り出す。トルコ人は、遊牧民の名残なのか、屋外で食べるのが大好きなのだ。
市場では色鮮やかな果物が目白押し。5月中旬から出始めた苺は大きなトレイに無造作に盛り上げられているし、夏の間中ずっと食卓を賑わすメロンもまずは小ぶりの球形のものから登場。日本を思い出させる枇杷は時期が短く、出たと思ったらあっという間に姿を消すが、中央アジア一帯に育成する桑の実は紫色と乳白色の2種類が並び、ダークレッドのさくらんぼや淡いオレンジ色のあんずはこれから当分のあいだ楽しめる。野菜では、日本では見かけないセミズオトゥが上品な色で市場を賑わす。