サーレップSalep
冬になると出回る、乳白色で甘くてこってりした温かい飲み物。サーレップというのはラン科の植物の呼び名で、この植物の球根をつぶして得られる粉が食用に用いられる。サーレップの粉は水または牛乳と混ぜてかき混ぜながら弱火で沸かすと粘り気が出る。これに澱粉と砂糖を加えてさらに弱火にかけてできた飲み物もサーレップと呼ばれる。ミルキーキャラメルを飲み物にしたような味とでも言おうか、どろりと甘い。
冬になると、金メッキの大きな容器を台車に乗せてサーレップを売る屋台商人が街角に出没する。安物のプラスチックのコップが持てないくらい熱く、あわてて飲むと舌をやけどしそうだ。近年では紙パック入りのサーレップも季節商品として冬季のみスーパーの棚に並ぶ。家庭で一からわざわざ作ることはあまりないようだ。伝統的にはショウガの粉を振って飲んだそうだ。
ちなみに、日本にも上陸を果たしたトルコの伝統的なアイスクリーム、ドンドゥルマがのびるのは、このサーレップの粉を使っているからだ。