サバサンドBalık ekmek
揺れる小船の中で、焼くが揚げるかしているサバの半身を、トルコパンのあいだに挟んで陸にいる人たちに手渡す。受け取ったお客は、そばに用意されているたまねぎ、塩、レモン汁をお好みでかけ、あとは一気にほおばる…。
ひところ、イスタンブールの風物詩に数えられ、旅行客がエミノニュの波止場で必ず一度は口にしたもの。地元民にもなかなかの人気だったのだが、市当局の「衛生上よろしくない」という表向きの理由で(裏の理由は近くで営業しているレストランからの圧力、という噂も…)撤去命令の憂き目に遭う。
一掃された波止場はなんだか殺風景だ(たまにこっそりサバサンドの船が岸辺にやってくることもあるけれど)。ああ、あのサバを焼く煙のにおいが懐かしい。