スイカ

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カルプズKarpuz

カルプズ
鮮やかな緑色の皮に血のように赤い(トルコ語でも「カン・クルムズ」といって、同じ表現がある)中味、点々と点在する黒い種。その彩りあざやかさのおかげで、かつて夏休みの絵日記に必ず登場した「夏の風物詩」の王者的存在、スイカ。湘南海岸でスイカ割り、なんていうのもおぼろげな記憶の片隅に残る。

日本では2分の1や4分の1にカットされて売られるようになって久しいが、小ぶりになり味も薄味になってしまった日本のスイカに比べて、トルコのスイカときたら迫力満点。直径30cmもありそうなスイカが小型トラックの荷台に山積みされて売られ、中味はまさに「カン・クルムズ」色でめっぽう甘い。三角形に切られお皿に盛られテーブルに出されれば、暑さを忘れさせるみずみずしさで元気をもらった気持ちになる。他の果物に比べてやや上品さに欠けるような印象を持たれがちなスイカに、そんな先入観を抱いていたことを謝りたいくらいだ。

スイカは15世紀ごろシリア、アナトリア、バルカンからヨーロッパへ広まったそうだ。暑い地域によく育ち、南東トルコのディヤルバクルがスイカ生産地として名高い。ブルサ、トラキア地方のテキルダーでも盛んだ。世界生産量の20%はトルコで生産されているという統計もあり、トルコ人には昔から馴染みの深い果物だ。スイカ割りの習慣は聞いたことがないけれど…。